シングルマザーになって、最初の難関となるのが手続きですよね。必要な届け出や国の制度も分からず、不安に感じる方も少なくありません。
そこで今回は、シングルマザーが離婚後に行いたい、11個の手当と手続きをご紹介します。国の手続きもやり方次第では、経済的に大きな支えになります。シングルマザーで手当や手続きに不安がある方や、シンママになろうか検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
シングルマザーは離婚後に手続きや手当が必要
シングルマザーは離婚後に、行うべき手続きが複数あります。独身になることで立場も変わり、国から受けられる手当も増えるからです。シングルマザーだからこそ受けられる支援も多く、経済的に大きな支えになる場合も少なくありません。一方で国の支援制度を活用しなければ、結果的に損をしてしまう可能性もあります。
これらの手当は生活をサポートする強い味方となるので、事前に内容をチェックしておくと良いでしょう。これからシングルマザーになる方は、今後の生活やお金についてイメージしやすくなるはずです。
シングルマザーはまず11個の手当・手続きを確認しよう
シングルマザー向けの手当てや手続きを、合計11個ピックアップしました。分野やシーンごとに分けてご説明しますね。具体的な内容は次のとおりです。
- シングルマザー最初にすべき2つの基本手続き
- 未婚ママも必見!子育て支援の5つの手続き
- シングルマザーは活用すべき暮らしを助ける3つの手続き
シングルマザーが離婚してから育児を行う際の、手当や手続きを網羅しています。日々の暮らしを助ける国の支援制度もお伝えするので、ぜひ今後の生活に役立ててください。シングルマザーが生活する上で感じる不安を、少しでも解消していきましょう。
シングルマザー最初にすべき2つの基本手続き
シングルマザーが離婚後に行わなければならない手続きは、下記の2つです。
- 離婚届
- 国民健康保険を減額させる
国に申請する重要な手続きですので、事前に把握しておくことをおすすめします。
離婚届
離婚したら離婚届を国に提出する必要があるのは、皆さんもご存じですよね。離婚届その名の通り、国に離婚した旨を伝える書類です。
離婚届自体は市役所の「戸籍課」で受け取ることが可能です。役所のスタッフに声をかければ、用意してもらえます。受付に置いてあり、自由に手に取れるケースも少なくありません。
役所に足を運べない方は、インターネットでダウンロードするのも1つの手段です。指定のPDFを印刷すれば、離婚届として認められます。出力する際は、必ずA3サイズでプリントアウトしましょう。サイズが違っていると受け取ってもらえない可能性があります。
また、場所によっては役所で配布している離婚届しか認められないケースも少なくありません。不安な方は、最寄りの役所で書類をもらって記入すると安心ですね。
離婚届を提出する際は、2人の成人から証人をもらう必要があります。離婚する旨を知っている人であれば、問題ありません。事前に頼む人を誰にするのか、考えておくことをおすすめします。
国民健康保険料を減額させる
前年より大幅に所得が減ってしまった場合、国民健康保険料を減額できるケースがあります。けがや病気など働けない状態になった場合には、免除される場合も少なくありません。具体的な減額の割合は、市町村によって異なります。ご自分の住んでいる地域の役所に、直接問い合わせてみると良いでしょう。
目安として、3割から7割程度の保険料が減額される場合が多くなっています。減額には国への届け出は必要ありませんが、免除されるためには申請しなければなりません。ご自分がどのような支援が受けられるのか、事前に確認しておくと安心ですね。
未婚ママも必見!子育て支援の5つの手続き
シングルマザーには、養育費を支援する制度が国から用意されています。上手に活用すれば、経済的に大きな支えとなるはずです。あらかじめご自分が受けられる手当を確認しておきましょう。具体的には次の5つの手続きに申請できます。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 特別児童扶養手当
- 障害児福祉手当
- 児童育成手当
ここでは、それぞれの手当の内容について、簡潔にご説明しますね。
児童手当
児童手当はシングルマザーだけでなく、全国全ての家庭が対象の制度です。生まれてから中学校を卒業する子どもをもつご家庭は、国から支援を受けられます。具体的な金額は次のとおりです。
- 3歳未満の場合:月に15,000円の支給
- 3歳~小学校卒業前の場合:月に10,000円の支給
- 中学生:月に10,000円の支給
- 所得制限をオーバーする場合:月に5,000円の支給
※第三子以降は月に15,000円の支給
児童手当には所得制限があります。扶養親族等の数が0人の場合は、所得額622万円、収入額が833.3万円です。扶養家族が1人の場合は660万円、収入額が875.6万円になります。扶養人数が増えれば増えるほど、所得制限が上がる仕組みです。
児童手当が支給されるタイミングは年に3回で、2月、6月、10月です。一定額が口座に振り込まれるため、生活を支える上で、重要な役割を果たします。
■参考サイト内閣府:児童手当Q&A
児童扶養手当
児童扶養手当は、シングルマザーのために設けられた制度といえるでしょう。母子家庭や父子家庭の生活を安定させ、自立を促進させるのが目的です。どのような理由でひとり親になっても適用されます。児童手当と児童扶養手当の両方を受けることが可能です。
児童扶養手当の支給対象は生まれてから、18歳の誕生日をむかえた後の最初の3月31日までの子どもです。支給形式は、所得によって「全部支給」と「一部支給」にわかれます。給付金額も児童の人数によって変わってきます。
目安として、児童が1人の場合は月に10,000円~42,000円程度、児童が2人の場合は月に5,000円~10,000円程度です。
所得制限も設定されており、扶養人数によって制限額が変わります。扶養人数が0人の家庭は、全部支給で49万円未満、一部支給で192万円未満。扶養人数が1人になると、全部支給が87万円未満、一部支給が230万円です。児童扶養手当の支給金額は年によっても変わるため、シングルマザーになったタイミングで確認することをおすすめします。
■参考サイト:東京都福祉保健局:児童扶養手当
特別児童扶養手当
特別児童扶養手当は、精神や身体に障害のある子どもを支えるための制度。支給対象は20歳未満で障害のある児童を持つ家庭です。児童福祉施設にはいっている子どもや、障害を理由とする年金を受け取っている家庭は適用されません。
特別児童扶養手当は「障害の深刻さ」によって支給金額は変わります。具体的な分類は「1級」と「2級」の2つで、それぞれ精神障碍者手帳や精神障碍者手帳の階級によって左右されます。支給金額は1級の場合は52,200円、2級の場合は34,770円です。
特別扶養手当にも所得制限は設けられています。扶養人数が0人の場合は所得額が4,596,000円、1人の場合は4,976,000円です。扶養人数が増えれば、制限される所得額も増えるので注意しましょう。支給時期は4月、8月、12月です。
■参考サイト:厚生労働省:特別児童扶養手当について
障害児福祉手当
障害児童福祉手当は、重い障害を持っている子どもに適用される手当です。生活の負担を軽減させ、福祉を向上させることを目的としています。支給対象は常に介護が必要な20歳未満の子どもです。支給金額は月に14,790円となっており、支給時期は原則として2月、5月、8月、11月の年4回です。
障害児童福祉手当にも所得制限が設けられています。受給者やその配偶者の前年の所得が一定金額を上回ると、適用されません。扶養人数が0人の場合の所得制限は、本人の所得額が3,604,000円もしくは配偶者や扶養義務者の所得額が6,287,000円です。扶養人数が増えるほど、所得制限の金額は上がります。
具体的な金額が知りたい方は、厚生労働省のホームページに記載されているので、チェックしてみてくださいね。
■参考サイト:厚生労働省:障害児童福祉手当について
児童育成手当
児童育成手当はひとり親の家庭の生活を安定させるために、設けられた制度です。東京都では受けられるケースが多いのですが、地方では制度自体が設けられていないケースもあります。事前に住んでいる地域に問い合わせてみることをおすすめします。
児童育成手当の支給対象は、18歳未満の保護者を失ってしまった児童です。もちろん、親が離婚した場合もふくまれます。ただし、子どもが児童福祉施設などに入っている場合は、適用外となるので注意しましょう。
支給金額は子ども1人につき、月に13,500円です。児童育成手当にも所得制限が設けられています。父母の前年の所得が一定の金額をオーバーしている際は適用されません。児童育成手当の所得制限は場所によって異なります。各市町村に問い合わせてみると良いでしょう。
■参考サイト:台東区:児童育成手当
シングルマザーは活用すべき暮らしを助ける4つの手続き
シングルマザーには生活を助けるための制度が用意されています。具体的に利用できる手当は、次の3つです。
- 母子家庭家賃補助
- ひとり親家族医療費助成制度
- こども医療費助成
シングルマザー向けの母子手当や制度は、上手に活用することで毎月一定の金額が振り込まれます。経済的負担が軽くなり、生活にゆとりが生まれるはずです。シングルマザーで生活に不安を感じている方は、ぜひこれを機にチェックしてくださいね。
母子家庭家賃補助
シングルマザーには、母子家庭家賃補助が適用されます。これは、母子家庭向けの住宅手当です。ひとり親家庭の生活を安定させるために設けられました。毎月支払わなければならない家賃の一部を、市区町村が支援します。
ただし、地域によっては母子家庭家賃補助を行っていない場所もあります。市区町村によって名称もさまざまなので、一度チェックしてみると良いでしょう。住所が変更になった場合も、給付金額が変わる可能性があります。
支給対象は、20歳未満の児童を育てているシングルマザー。居住地に住民票があり、6ヵ月以上住み続けていることが条件のところが一般的です。
支給金額は自治体ごとに異なり、所得制限額や支給地域も地域によって違うので、あわせて確認すると良いでしょう。
ひとり親家族医療費助成制度
ひとり親家族医療費助成制度は、健康保険の自己負担分を市区町村が援助する制度です。母子家庭の福祉を推進させることを目的としています。
支給対象はひとり親家庭の母もしくは父になっています。両親がいない児童を養子として育てている場合も適用されるケースが多いです。子どもが18歳になった年の年度の末日までが対象となります。生活保護を受けている方は適用外となるので注意が必要です。児童施設に入っている場合も助成を受けられない場合があります。
ひとり親家族医療費助成制度も所得制限が設定されるケースが多くなっており、地域によって制限金額は違います。扶養親族の人数によって左右されるため、事前にお住まいの地域についてチェックすると良いでしょう。
こども医療費助成
子ども医療費助成は、子どもが健康的に育つように市区町村が助成する制度です。対象者は地域によって異なります。年齢は15歳になった日以降の最初の3月31日であるケースが多いです。子どもが日本の健康保険に加入していることが条件になる場合もあります。生活保護を受けている家庭や、児童福祉施設に入っている人は適用されないケースが多いです。
支給金額や所得制限の有無も地域によって異なります。お住まいのある地域の自治体に、一度相談してみるのがおすすめです。
生活保護
生活保護は働けずに十分な収入が得られない人を救う制度です。条件に合えば、老若男女問わず、誰でも需給する権利を持っています。生活が苦しくなった際のセーフティーネットとなるので、事前に内容を把握しておくと安心です。
生活保護の役割は、人々が必要最低限の生活をするためにサポートすること。自立して暮らせるようになるまで、援助します。支給対象者は援助する身内がおらず、資産がない人です。働けずに収入が最低限の生活費を下回る国民に適用されます。
具体的な支給額は人それぞれで、最低生活費から収入を引いた計算式で算出され、それぞれの経済状況によって変わります。シングルマザーになって経済的に困っても、生活保護を利用すれば暮らすことは可能です。
■参考サイト:厚生労働省:生活保護制度
まとめ:手当はシングルマザーの強い味方!
国や地方自治体が提供する手当は、シングルマザーにとって経済的に大きな支えとなります。離婚後の暮らしが不安な方も、支援金を上手に活用すれば生活にゆとりが生まれるはずです。ご自分が加入できる支援制度を積極的に利用するのが、シングルマザー生活を上手に乗り切るカギとなります。
受けられる支援や助成を上手に活用しながら、日々の生活を安定させ、子どもと笑顔で過ごしていきたいですね!