シングルマザーでも、仕事の都合などで引越しをしなければならない場合があります。母子だけでの引越しとなると、母親一人ですべてを行わなければならず、母子家庭特有の手続きなどもあるので、何かと大変なものです。どんな手続きをしたらいいのかわからないという人も多いでしょう。

この記事では、シングルマザーが引越しをする際に必要な各種手続きや、引越しにかかる費用の相場について紹介します。シングルマザーとしてこれから引越しを考えている人は、ぜひチェックしてみてください。

シングルマザーの引越しはここが大変

シングルマザーは、一人で子供の面倒を見なければならないので大変です。さらにプラスして引越しとなると、さらに大きな負担がかかることになるので気を付けなければなりません。ここでは、具体的にどのような点で大変になるのかを説明していきます。

手続きを一人でやらなければならない

シングルマザーは基本的に、自分一人で引越しの手続きなどをする必要があります。パートナーがいないため自分に全て負担がかかりますし、子どもの相手をしながら手続きを進めなければならないので大変に感じることが多くなります。

引越しの手続きでよくわからないところなども自分で調べて解決しないため、その負担は大きくなります。どうしても大変に感じる場合には、周りの人に協力を仰ぐようにして負担を少しでも軽くすることをおすすめします。

費用面の負担が大きい

共働きなどの場合であれば、家計は安定しやすく引越し費用の捻出もさほど負担にならないものです。しかしシングルマザーの場合には、引越し費用に関しても全て自分で稼がなければなりません。費用を捻出するために仕事量を増やす必要まで出てくると、その負担も大きくなります。費用面の問題で、なかなか引越しに踏み切れないシングルマザーが多いのも現実です。

シングルマザーの引越しで必要な手続き

シングルマザーが引越しをする場合には、子供の学校への手続きなどがありますので、事前にしっかりとチェックしておきましょう。ここでは、実際にどのような手続きがあるのか紹介していきます。

子どもの保育園や学校に転校の連絡をする

引越しが決まったら、子どもが通っている学校や保育園を変えるための手続きをしましょう。早めに手続きをしておくことでスムーズに転校をさせることができるので、引越しが決まったらすぐに学校に連絡をしてください。

また、子どもが複数人いる場合には、それぞれの学校や保育園に連絡をしなければならないので、より一層スムーズに手続きができるようにしていかなければなりません。早めに子どもの転校・転園手続きをしておくことで、新しい学校や保育園にも連絡しやすくなります。

転校先の学校・保育園に連絡

子どもが引っ越すことを通っている保育園や学校に連絡をしたら、それで手続きが終わるわけではありません。引越し先の学校や保育園を確認して、そちらにも連絡をして転校・転園手続きをする必要があります。

この連絡を忘れてしまうと、引越してからスムーズに子どもを転校させることができなくなって、手間がかかってしまうことがあります。転校・転園手続きは現在の学校・保育園と、引越し先の学校・保育園をセットで行うようにすることが大切です。なお、学校・保育園のいずれの場合でも役所での手続きも必要になることを覚えておいてください。

子どもの友達やお世話になった教師などに挨拶

子どもの転校手続きが終わったら、手続きに関してはそれで十分です。しかし、引越しをすることは子どもたちにも伝えて、現在の学校の友達などに挨拶をさせるようにしましょう。去り際の挨拶はとても大切で、子どもの交友関係を左右するものでもあります。

子どもの友達の親御さんともきちんと親が挨拶に行き、お別れをしておくことが大切です。また、子どもが通っている学校の校長先生や教師などにもしっかりと挨拶をすることで、円満に引越しの手続きを終えることができます。きちんと挨拶をすることで、その後も子ども同士の関係を良好に継続させることが可能となります。

引越し先の学校に挨拶

子どもが通っていた学校にしっかりと挨拶をし、円満に引越しをすることができれば、その後の心配はありません。ただ、子どもの通っていた学校だけに挨拶をするのではなく、そちらへの挨拶が終わったら今度は引越し先の学校にも挨拶をしておきましょう。

引越し先の学校や保育園に挨拶をしておくことで、子どももスムーズに転校できるようになりますし、親御さんや学校の先生などとも円満な関係を築くことができるようになります。引越し元や引越し先にとにかく挨拶をしておくことが、子どもの引越しを円滑にするためのポイントです。

電気・ガス・水道の転居手続き

子どもの引越し先や引越し元への挨拶が終わったら、今度は生活に関わる部分の引越し手続きする必要があります。中でもライフラインとして欠かせない電気・ガス・水道などに関しては、早めに手続きをしておくことが大切です。

まず自宅で契約している電気会社やガス会社、水道会社に連絡をすると、停止の希望日を聞かれるので、引越し当日などを答えましょう。次に引越し先の家を管轄している電気会社などに連絡をして、こちらも引越し当日から使えるように手続きをしておくことが大切です。

固定電話の転居手続き

近年では携帯電話で済ませているという人も多いでしょうが、固定電話を引いている場合にはこちらの引越し手続きをしておく必要があります。固定電話の手続きは忘れがちなことではありますが、忘れてしまうと引越し先で電話が使えなくなります。

固定電話の転居手続きをする際には、NTTなどの電話回線を引いている会社に連絡をして引越しの手続きをしましょう。固定電話の手続きは引越し当日の1週間ほど前までに連絡をしておくと、スムーズに行うことができます。

インターネットの転居手続き

現代人に欠かせないインターネットも、自宅でWi-fiなどを使っている場合はきちんと転居手続きをしておく必要があります。シングルマザーの場合は外に出て働くことも多いですが、近年では自宅でインターネットを使って行う仕事をしている人も多くいます。その場合にはインターネット環境は仕事に欠かせないので、きちんと手続きをしておく必要があります。

インターネットは、新規の契約だけでなく移転工事が必要な場合は、工事が完了するまでに少し時間がかかります。そのため、電気やガスと同じタイミングで手続きをすると引越し後すぐに利用できないこともあるので注意が必要です。インターネットの転居手続きは、遅くとも引越し1か月前までには済ませておくようにしましょう。

引越しにかかる費用

引越しにかかる料金というのはばかになりません。引越し屋にも繁忙期とそうでない時期があるので、安い時期を見計らって引越しをすることが大切です。ここでは、引越し時期による相場の違いについて解説します。

通常期(5〜翌1月)

入学・卒業シーズンや就職シーズンも終わったこの時期には、基本的に引越しの相場はそこまで高くはなりません。オフシーズンとも呼ばれるこの時期には単身での引越しで45,000円前後、3名以上でも90,000円程度とリーズナブルです。

シングルマザーが引越しをする場合には、少しでも費用を抑えるためにこの時期を狙って引越しをするのもおすすめです。子どもの入学シーズンなどもあり大変なこともありますが、できる限りスケジュールを調整すると良いでしょう。

繁忙期(2〜4月)

繁忙期になると、基本的に通常期の1.6〜2倍ほどの引越し料金になります。2〜4月は入学・卒業シーズンや就職で引越しをする人も増えるので、引越し業者は大忙しになるからです。そのため、この時期に引越しをする場合には費用が多くかかることを覚悟しておきましょう。

金額としては単身でも70,000円以上、3人以上だと200,000円前後となることもあります。シングルマザーにとっては負担が大きく感じることもあるでしょう。引越しに伴う出費に耐えられるように、事前にしっかりと貯金をしておくなどして費用を捻出できるようにしておくことが大切です。

シングルマザーの引越しは補助金の利用がお得!

シングルマザーの引越しには何かとお金がかかりますが、引越し後の生活には様々な援助が受けられることもあるので、しっかりチェックしておきましょう。どのような援助を受けることができるのか、ご紹介していきます。

児童扶養手当の転居手続き

同じ地区、同じ市町村内であれば、住所変更手続きをするだけで子どもの引越し手続きは完了です。しかしそれまで住んでいるところと別の市町村に引越しをする場合には、児童扶養手当の転居手続きを行う必要があります。これをしないと児童扶養手当を引き続き受けることができなくなってしまいます。

児童扶養手当の手続きを行う場合には、引越し元の市町村役場に「児童手当受給事由消滅届」を提出します。そのあと、引越し先の市町村役場で必要な書類を提出して手続きを完了させることになります。

■参考:草加市 「引越しの時の手続き( 児童扶養手当)」

ひとり親家庭等医療助成制度・子ども医療助成制度等の変更手続き

子どもがいるシングルマザーが助かる助成制度も変更手続きが必要になります。ひとり親家庭等医療助成制度というのは、片親だけの家庭において、医療費における自己負担額が軽減されるという女性制度です。手続きはこちらも市町村の役場で行うので、忘れずに済ませておきましょう。

子ども医療助成制度は、子どもの医療費として支払う自己負担額の一部を負担してもらえるという制度のことです。子どもが多いと医療費もバカになりませんから、うまく利用して負担を減らしていくために有効なものと言えます。

■参考:新潟県上越市 「ひとり親家庭等医療費助成制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、20歳以下の子どもを持つ片親の世帯にお金を貸し付けを受けられる制度のことです。事業の開始や継続、また子どもの学費の援助などを受けられるので、子どもを大学などに行かせてあげたいけれどお金を用意するのが難しいという場合に便利です。

子どもを育てていくのには何かと費用がかかるものです。特に複数の子どもがいる場合には、片親だけでは経済的にどうしても苦しくなってしまうことがあります。このような制度を利用することで、負担なく子どもをのびのびと育てていくことができるでしょう。

■参考:男女共同参画局「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」

母子家庭等家賃助成・住宅手当

20歳以下の子どもを育てているシングルマザーにとってありがたい制度の一つが、この住宅手当等の援助制度です。月額1万円を超える家賃を支払わなければならない人が対象となり、一部の家賃を負担してもらうことができます。

支給を行うための条件に関しては住んでいる市区町村などによっても異なるので、引越しをする場合には予め引越し先の自治体に条件などを確認しておくと良いでしょう。早めに手続きを行うことで、早めに援助を受けることができます。

■参考:厚木市 「母子家庭等家賃助成について

児童育成手当の申請

児童育成手当は、18歳までの子どもを持つ片親の家庭に支給される手当のことです。子ども1人につき月額13,500円を受け取ることができます。支給される月は決まっており、毎年4月と10月と2月の3回です。前月までの分をまとめて支給してもらう形になるので、申請は早めに行っておくようにしましょう。

子どもが複数人いる場合にはその数に応じた額が支給されるので、片親にとってはとてもありがたい精度になります。

■参考:練馬区 「児童育成手当」

就学援助手続き

就学援助制度は住んでいる自治体にも異なりますが、中学生までの子どもを持つ親に対し、経済的な理由で子どもを学校に通わせることが難しい場合に支給される手当です。子どもが使う学習用品や給食費などの一部を負担してもらえるので、シングルマザーにとってはありがたい制度の一つと言えるでしょう。

毎年申請が必要になり、自治体によって細かな決まりが変わってくるので、引越しの際には忘れずに変更などの手続きをしておくことが大切です。

■参考:就学援助制度について

福祉乗車券手続き

福祉乗車券は設定している自治体によってその条件等も異なりますが、定期券料金の3割ほどを負担してもらうことができます。電車やバスを利用することが多い人にとってありがたい制度です。

子どもが電車やバスで通学している場合にも役立つ制度なので、ぜひ利用してみると良いでしょう。手続きは各自治体の役場で行っているので、引越しなどをした場合にはこちらの手続きも行う必要があります。

■参考:横浜市 「バス・地下鉄の特別乗車券」

福祉医療証手続き

福祉医療証は、ひとり親の家庭に支給される医療費の助成を受けられるものです。健康保険を利用してもシングルマザーには負担が大きいと感じることもあるでしょう。この制度を利用すると、健康保険を利用してかかった医療費の一部を負担してもらうことができます。

子どもが小さい頃は医療機関を受診する機会も多いでしょうから、母子家庭にとってこのようなサービスは非常にありがたいものです。条件によっては医療費負担が無料になることもあります。

■参考:出雲市 「福祉医療費助成制度」

下水道基本料金減免手続き

シングルマザーは生活費を切り詰めなければならず、苦しい時期もあるでしょう。そのような人の負担を減らすために役立つのが、下水道基本料金減免制度です。全国の自治体で行われているわけではありませんが、該当する場合は水道料金の一部を減免してもらうことができます。

各自治体に申請しないとこの制度を受けることはできません。引越しが決まったら引越し先にこの制度があるかどうかを確認し、あるようであれば早めに手続きを行いましょう。

■参考:東京都水道局 「水道料金・下水道料金の減免のご案内

まとめ

この記事では、シングルマザーの引越しにかかる費用や、各援助制度について紹介してきました。シングルマザーの生活や引越し費用は負担が大きく、辛く感じることもあるでしょう。しかし国や地方自治体は片親の家庭に様々な支援制度を設けているので、上手に利用して負担なく子どもを育てて行きましょう。引越しをする場合は、ご紹介した情報を参考にして無理なく安心して引越しをできるようにしてくださいね!

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