シングルマザーとして生活をし、子供の日常の世話や学校のこと、地域のボランティアなどひとりでもできる事がだんだんと増えても、ある日突然入院となったらまた話は別です。実家から遠く離れていては子供を預ける先も困ってしまいますね。

今回は、海外でシングルマザーをしている私が、自身や子供の入院で体験したエピソードをお話します。

辛い入院生活

シングルマザーとして生活をしている場合、最も困る事のひとつが自身や子供の入院時でしょう。子供がひとりの場合はまだ入院先に付き添ってやることも可能ですが、シングルマザーで子沢山の場合は優先順位も付けられず、どうしようもありません。

私が初めての入院を経験したのは、ふたり目の出産時でした。最初の子をシングルで出産した私にも数年後には新たな出会いがあり、ふたり目の子供を授かる事ができたのです。ところが、妊娠中に子どもの父が不法滞在者だと発覚。そのまま自国へ強制送還となりました。私は再びシングルマザーとして子供を出産することになったのです。

普段から心がけていたこと

シングルマザーとして生活をしている間に心がけていることのひとつに、近所付き合いと友達付き合いがあります。外国人の多いエリアに住んでいることもあり、近所に子供も多く、頻繁に行き来をしたり子供同士を遊ばせたりと、意識的になるべく近所の人と付き合うようにしていました。

また、日本人同士の関わりも重視しています。海外でなにか困ったことが起きた場合、やはり信頼できるのは同郷の人だと痛感していたのです。特に、子育て経験のある日本人のおばあさん年代はとても心強い相手です。普段から悩み事を聞いてもらったり、子育てのアドバイスを貰ったりできたからです。

出産は、急なケガや病気での入院と違い、ある程度は入院の頃合いがあらかじめ分かっています。それでも、陣痛が起こる日や時間帯までは予測できません。いざ陣痛がはじまったとき、私は兼ねてから仲良くしていた近所に住む車を所有する友人に連絡を取りました。彼女もシングルマザーだったこともあり、普段から親しく付き合いがあったのです。彼女は快く私を病院まで乗せてくれ、私の状態が落ち着くまで付き添ってくれました。

持つべきものは遠くの身内より近くの他人

出産は8時間ほどで、無事に第2子を産み落とすことができました。予定日を超過していたにもかかわらず、とても小さな男の子でした。出産時は、近所のシングルマザー友達に上の子供を預かってもらっていたのですが、さすがに何日もお世話になるわけにはいきません。

また、ヨーロッパの国では出産は病気ではないため、日本のように母体が落ち着くまでゆっくり休養というシステムがありません。私の入院先もカンガルーケアをしており、出産直後お腹の上に乗せられた新生児を、退院までの間ずっとひとりで同室でみるため、睡眠もまともに取れませんでした。

それでも気になるのは、友人に預けている上の子供の事。病院では、出産後は母子ともに「ペイシェントホテル」と呼ばれる患者専用の部屋があてがわれて過ごす事になっていました。けれども、ホテルは出産病棟からかなり離れているため、付き添いのいないシングルマザーの私は、ひとりでホテルまで移動が不可能でした。そこで、病院側の計らいで、しばらく他の入院患者とともに入院病棟で過ごすことになったのです。

ホテルと入院病棟は雲泥の差

一般的に、ヨーロッパの国々では、出産後の女性が産院で身体をゆっくり休養させるというシステムがありません。かのイギリス王妃も、出産後はその日のうちに病院を後にしています。

付き添いのいないシングルマザーという理由で、患者ホテルへの入室が許されず、出産病棟へそのまま入院することになった私と長男。それも、8人部屋でした。入院病棟は基本的に、難産だった人や帝王切開だった人、産後のトラブルのある人が入院しています。

そのため、8人の母と8人の新生児が同室というのは、本当に地獄絵図のように酷かった。昼夜問わず常に誰かの赤ちゃんが泣いているので、睡眠を取ることなど不可能。また、夜中に突如泣き出す精神不安定な母親、夜中に嘔吐を繰り返す病状の悪い母親など、ウトウトする暇もありません。面会時間が午後の4時から1時間だけと決められていたため、上の子に会えないのも辛かった。それでも自然分娩の私は、他の人と異なった理由で入院病棟へ入っているのだから、最長でも2日もすれば出られるだろうと高を括っていました。

ところが、全く予想外に入院が伸びてしまったのです。原因は、生まれた子供の股関節症状の検査と、母乳不足でした。私は、いつまでも上の子供をシングルマザー友達に預けておくことができなくなりました。彼女も仕事に行かなければいけません。そこで、普段から時々お世話になっていた、日本人のおばあさんに連絡を取りました。子供の保育園にも事情を話し、私の退院までの間、上の子供を預かって貰う事になったのです。

退院後も辛かった

国の予算で賄われる出産後専用の患者ホテルと違い、入院病棟は有料でした。ものすごく高額という訳ではありませんでしたが、1泊の入院費用は日本円で約6000円。合計で結局5泊したので、思いがけない出費となってしまいました。しかも入院費のことは知らされておらず、全く突然にある日請求書が自宅に送られてきたのです。

また、ふたり目の子にも関わらず母乳の出が悪かった私は、退院後も毎日母乳指導のために病院へ通わなければいけませんでした。車を持っていないので、毎日がタクシーです。まだ産後でヨレヨレの身体にムチを打って、30分ほどの母乳指導のために数日間毎日病院へ通いました。こんなだったら、まだ入院を継続させてほしかったと思いましたが、健康体の親子を長期に渡って入院させておく余裕など、病院側にはないのでしょう。

外国人だから知らないシステムも多い

外国人という理由で、住んでいても実際には誰かに教えてもらわないと解らない、国のシステムもあります。私の場合は、無知だったために大変な思いをしたことのひとつに子供の保育園の預け方があります。

2番目の子を出産した時、近所の人から保育園は「働く親のための施設」なので、産後に母親が家にいて育児をする場合には、上の子供はハーフタイムでしか預けられないと聞いていました。そのため、シングルマザーで新生児を抱えながら、夜も眠れない毎日を送っているにも関わらず、元気いっぱいの保育園児の世話もするという状態へと生活が変わりました。これでは夜中の睡眠不足を、昼寝で補うことも叶いません。それでもそこはふたり目育児。新生児との生活がどのように回るかは、最初の子の時に経験済みでしたから、眠れないのは3ヶ月だけ、と自分に言い聞かせてなんとか乗り切ったのです。

3ヶ月も経った頃、保育園の先生と話す機会がありました。この3ヶ月間は本当に大変だったわ、と言う話題になった時に、私は衝撃の事実を知ることになりました。出産後は母体の回復や疲れなどもあることから、子供がハーフタイムに切り変わるのは、産後3ヶ月目からだというのです。つまり、私が眠ることも叶わずに気力で乗り切った2ヶ月間は、実際には上の子供をフルタイムで保育園へ預けることができたのです。しかし、その事実を知ったのは既に3ヶ月も経過した頃の話。あまりに当たり前の世の中のシステムというのは、誰もが知っているという認識のため、外国人だからといって誰もわざわざ教えてくれない事を痛感したのでした。

入院時の対応方法は?

シングルマザーが入院するに当たって、対応するべき事は色々と考えられます。また、母親が入院する場合だけでなく、子供が入院する場合にも異なってくるでしょう。出産時のように、おおよその入院時期があらかじめ把握できる計画的な入院の場合と、突然の事故や病気で急に対応しなければならない場合でも、状況は変わってきます。

母親自身の入院の場合

実は以前、旅行中に突如入院しなければいけなくなったことがあります。原因は、食中毒。何に当たったのか今となっては定かではなく、おそらくどこかのレストランで口にした海産物だろうということでした。症状は重く、手足にもしびれが出るほど。

しかし子供を連れた海外旅行中に、入院だなんてとんだハプニングです。その時は、結局実家からわざわざ母に来てもらうことになりました。今思い返しても、大迷惑ですよね。自分や子どもたちの航空券は、もちろん払い戻しはできず再購入することになりました。海外旅行中だったので、予め海外旅行保険に加入をしていたのは、不幸中の幸いです。突然のさまざまな出費(特に航空運賃)は痛かったですが、数カ月後に無事に保険会社を通じて返金が行われました。

子供が入院した場合

子供が突然の盲腸の疑いで、朝3時に検査入院をした事があります。検査で散々待たされた挙げ句、盲腸の疑いが晴れず、だからといって確定もできないという事で、夜中まで病院に詰めていました。結局その日は、夜中まで待ってオペ室に空きが出たという理由で、そのまま手術をすることになりました。

困ったのが、家に残された幼い子供達です。朝3時に家を出た時には、子供が起きるまでには一度家に戻れるだろうと踏んでいました。ところが、検査がいつまで経っても進まないのです。仕方なく病院側へ事情を話し、不安がって泣く子供を病室に置いて、朝方一度家に戻って子供の面倒を見ました。上の子は9歳だったので、その日は学校へ送っていき、学童の後自分でバスで帰宅するようによく言い聞かせました。また、その間におやつや夕食の用意も簡単に済ませ、何があっても良いように対処しました。

子供が帰宅する時間や、帰宅してからも頻繁に電話をかけ、無事を確認しました。ところが盲腸の疑いの子供の検査が終わらず、とうとう就寝時間になってしまったのです。さすがに、9歳の子供を家に一晩中残しておくわけにはいきません。何度も電話確認をしていたため、携帯の充電も残っていません。結局その日は、仲の良い友人に急遽理由を話し、家にひとりで待つ子供を迎えにきて貰い、そのまま友人宅へ連れて帰って貰いました。

盲腸の手術は顕微鏡手術ということで、腹部に3箇所の穴を開けられましたが、次の日の午後には退院できました。ところが、これだけの大事で精神的にも肉体的にも不安な1日を過ごしたにもかかわらず、盲腸ではなかったのです。病院側の対応には、全く怒りを通り越して呆れてしまいました。

まとめ

私がシングルマザーとして海外でなんとか暮らしていけるのは、やはり助けてくれる友人の存在が非常に大きいことが分かります。ひとり親になると決心した日から、もちろん殆どのことを自分でできるように、子供達とも協力し合いながら頑張ってはいるのです。けれども、実際にはどうしても自分たちだけの力ではどうにもならない場面も度々訪れます。

シングルマザーの私が常日頃から念頭に置いているのは、近所付き合いです。引っ越しのときの挨拶から普段のおつきあいに至るまで、何かあった場合にお互いに助け合えるような信頼関係は、大変重要です。また、実家から遠く離れているので、日本人同士の付き合いもとても細やかに気を配っています。特にシングルマザー同士の付き合いは、お互いに心強いものです。子供が小さいうちは、ママ友付き合いだけではなく、なるべく幅広いおつきあいを普段から心がけていると、いざという時には本当に助けになりますよ。

チャトレが出来る代理店をお探しならこちらがおすすめ

チャットレディ求人Alice(アリス)では、 完全日払いで3万円以上も稼げる高収入アルバイトをご案内いたしております。

完全自由出勤で服装や髪型・ネイルも自由!独自のサポート体制があるので、未経験者問わず、誰でも 安全・簡単に高収入が得られます。

おすすめの記事