シングルマザーは独身ではあるけれど、子どももいるため恋愛を気軽にはしづらい面があります。恋人同士から同棲にまで発展させようとするときは考えるべきことや、悩ましいことはさらに増えます。
そこで、この記事ではシングルマザーが恋愛をして同棲にまで発展する経緯から、同棲してどうだったのか、実際の体験談をご紹介していきます。リアルな体験談を自分に置き換えて考えてみれば、今自分がどうするべきかもわかりやすくなります。また、他シングルマザーがどのように考えているのかを知ることは必ず役立ちます。同棲をしようか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
目次
シングルマザーの同棲体験談①
最初の体験談は、結婚していた当時に知り合い、その後に同棲に至ったシングルマザーのお話です。
彼との出会い
同棲をすることになった彼とは、夜のアルバイト先で知り合いました。私は当時結婚していました。しかし、夫とは離婚すると決めていたため、まずは別居費用を用意する必要があり昼間のパートの仕事だけではなく夜のアルバイト(飲み屋さん)をかけ持ちしていました。
子どもは昼間保育園に預けていましたが、夜は見てくれるところがありません。そこで、夫に「家計が苦しいし貯蓄もしたいから、少しアルバイトをしたい」と言って、夜のアルバイト(週2~3日)の間は夫に見てもらっていました。
そこで出会った彼はそのお店のマネージャーでした。彼は私の家庭の事情や悩みを親身に聞いてくれ、相談する内に仲良くなり、別居のための部屋探しも一緒にしてくれたので、悩みや不安の多かった私にはとても心強かったです。
別居スタートから離婚へ
私は昼と夜の仕事をかけ持ちで続けながら、シングルマザーとして子どもを育てていくために転職活動をしました。転職活動はうまくいき保険会社の正社員になり、同時に夜のアルバイトは辞めました。
こうして引っ越しの準備を整え、平日の昼間に夫には置き手紙をして、無事に引っ越すことができました。保育園の転入手続きも行い、私と子ども二人の新生活が始まりました。二人の生活が落ち着くには半年ほどの時間が必要でしたが、、落ち着いてきたころに夫との離婚も成立しました。
彼とのお付き合い
夜のアルバイトを辞めてからも、彼と連絡は取り合っていました。彼も実は昼間の仕事があり、夜のお店のマネージャーは副業でした。そして、私と付き合いたいと告白されました。「今後は昼間の仕事で独立して、一本に絞ってやっていくから、結婚を前提に付き合ってほしい」と言われました。
同棲を始めたきっかけ
ある日彼と、私の家で一緒に晩ご飯を食べることになりました。彼の家は少し不便な場所にあって終電時間が早いため、あまりゆっくりする時間はありません。このような状況で、彼の職場が私の家からの方が近いこともあり、「今晩、泊まってもいいよ」と言いました。
彼と子どもとはこれまでに何度も会っていますが、泊まるのは初めてでした。二人とも少し緊張した感じがありましたが、私は子どもの様子を見ながら、試しに一緒に過ごしてみようと思いました。
彼は次の朝仕事に出かけ、私と子どもは休みでしたが、特に変わった様子はありませんでした。それよりも彼と一緒に家でご飯を食べたことや、一緒にゲームをして遊んだことが楽しかったようなので、一緒に住めるかもしれないと思いました。
こうして、彼と子どもの相性も問題なく、私も彼との時間を長くとりたい気持ちが強く同棲をすることになりました。
シングルマザーの同棲体験談②
次の同棲体験談は、シングルマザーとして同棲を始めて同棲解消に至ったお話です。
同棲を始めたきっかけ
もう随分前の話になりますが、上の子どもが1歳を迎えた頃最初の夫と離婚をしました。その頃、子どもを長い時間預けられる保育園に入園できたこともあり、スキルアップのために資格取得のコースに通い始めました。半年間毎日勉強をする集中的なコースで、何週間か通ううちに声を掛けてきたクラスメートが、後に同棲することになった相手Aでした。
Aとはクラスは違いましたが、休み時間の度に2〜3人の女の子に囲まれているような人でした。ある意味目立っていたので、存在は知っていました。そして、そういったAの行動に対してあまり良い印象も持っていませんでした。
その年のバレンタインデーに、Aからアプローチがありチョコレートを渡されて「友達になってくれる?」と聞かれたことで交際がはじまりました。最初は交際相手という意識はありませんしたが、友達くらいなら問題がないと思いOKしました。
ところが、自分と相手との間で「友達」の意識に大きな差があったようです。私にとっての「友達」が、Aにとっては「フィアンセ」くらいに考えている誤差がありました。その日を境に、学校が終わった後はAが必ず家まで付いてくるようになりました。本人は、交際の了解が取れたから安全に家まで送り届けている意識だったようです。コースの後は保育園まで子どもを迎えに行っていたので、自然とAが子どもと会う機会も増えました。
毎日のように顔を合わせるAの存在に次第に気づいた子どもが、ある日バスの中でAを指さして少し戸惑いながらも「・・・・パパ?」と言いました。正直、ハッとしました。当時子どもは2歳前でしたが、周りの子どもたちの様子などを見て「パパ」の存在を理解していたのです。自分の家には「パパ」というものが存在していない事実にも気づいたのかも知れません。
その時は、子どもににっこりと笑いかけ、戸惑いを隠しながらも誤魔化してしまいましたが、それ以来「子どもに父親は必要なのではないか」と度々考えるようになってしまいました。また、今まで考えていなかった父親という存在を意識したことにより、子どもに血の繋がった弟妹が出来る可能性まで想像してしまったのです。
そうして数カ月が経った頃、Aがそれまで同居していた従兄弟に結婚が決まりました。従兄弟の家を出て行かなければいけなくなったAが住む場所を探していたのと、丁度離婚した元夫から執拗な嫌がらせやストーカー行為、脅しなどを受けていた心理的恐怖が重なり、私と子どものアパートに転がり込むようにAが同居を始めました。それが同棲開始のきっかけです。
同棲1年で解消
転がり込むように同棲が始まりましたが、Aとは同じコースを取っていたので子どもを寝かせてからは一緒に勉強をしたり、夏の週末にはコース仲間とバーベキューパーティをしたりと、数カ月間は楽しく過ごしていました。
軽い気持ちとタイミングでなんとなく同棲をはじめてしまった事もあり、ある日私はAに「もし、私との交際を本当に真剣に考えているのだとしたら、家族として暮らしていく事への自覚と、今後子どもができたときのことを考えて欲しい旨を伝えました。ところが、それに対してAは答えを出せず、その日から数日間音信不通になってしまったのです。
そしてもっと驚く事に、2週間ほど経った頃2人目の妊娠を自覚しました。若くて妊娠しやすかったかも知れませんが、交際してから間もなかったこともあり親にも紹介していませんでしたので本当に焦りました。しかし、2人目という事もあり比較的すんなりと覚悟を決めて受け入れました(親には当然反対されました)。
ただ、突然音信不通になったり家出をしたりする性分のAに対しての不信感は既に始まっていました。妊娠4ヶ月の頃に大きな喧嘩をし、それがきっかけでAが家出を繰り返すようになってからは、結局自分はシングルマザーとして行きていくのが運命なんだな、と半ば受け入れたのを覚えています。
同棲解消
最終的に子どもが産まれた後Aとの関係はギクシャクし、子どもが産まれるとAは自分でアパートを借りて出て行きました。けれども、なんだかんだとAとの関係はつかず離れずで、その後10年続きました。結局はAが子どもの父親であるという事実が大きかったのです。小さい頃の子どもは父親に懐いていましたし、何時でも好きな時に子どもに会いに来られるように、Aにはアパートの鍵を渡したままにしていました。今思えば、自分は随分寛容でした。けれども、当時は子どものためにはそれが最良と思いましたし、子どもも父親がいないとは思っておらず、「普段忙しいけれど時々会いに来るのが父親」くらいの理解でしたので、子どもたちはそんな環境を特に不審にも思わずに大きくなりました。
シングルマザーの同棲
子どもを抱えたシングルマザーの同棲や再婚自体は珍しいことでもなければ、難しいことでもないと思います。けれども、同棲を継続する事や再婚に至るのは、やはり困難が多いのではないでしょうか。
ひとつは、子どもとの相性もあります。我が家のケースにように子どもが小さければ、同棲までのプロセスは比較的すんなりと親である私達の気持ちひとつで決めてしまえるかも知れません。けれども上の子が高校生になる今は、勿論そんなに簡単に物事は進みません。また、子どもに父親が必要なのかどうかは、実際経験してみなければわからない事でした。シングルマザー家庭の小さな子どもは「どうしてうちにはお父さんがいないの」と疑問に思うこともあるかも知れませんし、定期的に父親と会っていれば一緒に住んでいなくても父親の存在を感じながら、その状況を受け入れていることもあるでしょう。
また、シングルマザーの心の隙間と言ってしまったら語弊があるかも知れませんが、若かった時の私のように子どものひとことで気持ちが揺らいでしまうこともあります。この子に父親がいたほうが良いのかも知れない、将来この子に弟妹がいたら、などの「もしも」は、可能性がある限り考えてしまう人は多いでしょう。
同棲継続の難しさ
人の気持ちは不安定で時が経てば変わってしまうほど不確かなものだと、色々経験して解りました。男性は、シングルマザーが相手で既に子どもがいる時「自分の子どもだと思って大事にするよ」「子どもは好きなんだ」「自分の子が出来ても同様に扱う」などとアプローチはするでしょうし、また実際には本当に努力もしているのでしょう。けれども、ふとした事がきっかけで「やっぱり自分の子どもじゃない」と思った時に、あっさりと関係を解消してしまう事はあります。私は上の子どもも定期的に父親に会わせていましたので、それを嫌がる人もいますし、理解度も人によって異なります。
私の場合、自分が子どもに対してやっている事や思っているのと同レベルで、相手にも全ての私の子どもを同様に受け入れて欲しいと考えていました。また、シングルマザーの特性として、仕事も家庭もおろそかにせず多くの事は全て自分で出来るようになってしまっているので、相手にも自分同様レベルの家事・育児・仕事レベルを求めてしまうような所もあります。
身近には子連れ再婚をし、子どもは再婚相手の養子として籍にも入れ、再婚相手との間にも次々に子どもを授かって幸せそうにしている友人もいます。しかし、そのケースでも再婚してまだ3年です。友人の幸せを望みますが、上の子と下の子が親子近く離れていることもあり、上の子が大学に進学したり就職したりすれば、段々と関係は疎遠になる可能性もあります。
シングルマザーに限らず言えることでしょうが、同棲や結婚は簡単に出来ても継続するには相当の覚悟や努力が必要になってきます。また人間の心や関係性は年月と共に変化するもの。どんな結果が待っていようとも現時点では分からないので、「その時その時の決断が、あの時分の私にはベストな判断だったのだ」といつも時分に言い聞かせて、自信を持てるように自分をフォローアップもしています。
シングルマザーの同棲体験談③
最後の同棲体験談は、シングルマザーとして同棲を始めて結婚にまで至ったお話です。
同棲開始
付き合って3年半、彼は娘のパパのような友達のような関係を築いてくれました。初めは「おにいちゃん」と言っていた娘が、急に「今日からパパって呼ぶ!」と言ったときのことは今でも忘れられません。
それから準備が整い次第、籍を入れることになり私達が住んでいた家に、彼が引っ越しきて3人暮らしをすることになりました。今までは彼の家に娘と泊まりに行ったり、彼が私の家に泊まったりすることが度々あったので、一緒に住むことへの不安などは特にありませんでした。
3人で食べるご飯は、家族のような暖かさを感じられ更に美味しく楽しい食事になりました。彼もこれまではコンビニ弁当などを食べていたので、手作りのご飯は嬉しかったようです。
普段家事に育児、仕事にとクタクタな私は、娘と2人でお風呂に入っていると疲れて湯船の中で寝ていましたが、彼がいると家事を手伝ってくれ娘の遊び相手にもなってくれるので、とても助かりました。私にも余裕ができ、3人でいると笑顔が増えたような気がします。
同棲での役割分担
彼はもともと優しい性格ですが、本当に良く家のことをやってくれるので良く羨ましがられます。私の父や、姉や友達の旦那さんの話を聞くと、なかなか家事は手伝ってくれないという話を耳にしていたので「こんな男性もいるんだなぁ」と感心するほどです。
私が彼に言っていたのは、共働きなので「家事を手伝う」というスタンスはやめてほしいということです。私のほうが家にいる時間が長いので必然的に私がメインで家事をやっていくことにはなるのですが「手伝う」ではなく、一緒に主戦力としてやってほしいことを伝えました。
もともと一人暮らしをしていた彼なので、一通りの家事は出来るのですが、私がやって当たり前に思ってほしくないし、時間的になかなか家事ができなくてもそのくらいの気持ちでいてほしいと思ったからです。
そのおかげか、お互い家事をしてもらったら「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられる関係でいられます。子どもたちにも、そんな姿を見て成長してもらえたら嬉しいです。
同棲から結婚へ
私と彼はあまり交友関係が広くなく、趣味も特にないので休日はいつも3人で過ごしていました。社交的な方だと息が詰まりそうになるかもしれませんが、3人で出かけたり旅行をしたり、ゲームをしたりと楽しく暮らしています。
そこも私達の同棲がうまくいく秘訣になっているのかもしれません。あまり交友関係が広いと、異性の問題や友達優先になってしまう問題も発生しがちですが、そのような心配がないので安心です。
常に3人で生活を共にして、それから半年後入籍しました。シングルマザーの同棲というと、あまりいい印象を持たれない場合もありますが、子ども含め私達を本当に考えて大切にしてくれる人をなら同棲生活もきっと上手くいくと思います。
まとめ
ここまで3人のシングルマザーの同棲体験談をご紹介してきました。シングルマザーという境遇は同じでも、そこに至る経緯や、現在の状況はさまざまです。3人のシングルマザーそれぞれが、いろいろなことで悩み、考えて同棲をしていたことが伺える体験談でした。
同棲を考えているシングルマザーは、今回ご紹介した体験談などをとおしてリアルに同棲後の生活を想像するようにしてください。彼との楽しい会話や、漠然とした幸せだけを想像するだけではダメです。子どもと暮らす様子や、彼が子どもに対してどのように接するのかを希望ではなく、リアルに想像することが大切です。その上で、同棲するかどうかを決めると同棲で失敗する可能性を低くすることができます。3人の体験談も参考にしながら、同棲について真剣に考えてみてください。