「こんなはずじゃなかった」離婚すれば幸せになれると思ったのに、現実には生活していくだけで精いっぱいとなっているシングルマザーは多いです。日々の暮らしの大変さに、自分の選択がはたして正しかったのだろうかと悩むのは、あなただけではありません。
この記事では、シングルマザーが離婚を後悔したときに前向きになれる解決策をご紹介します。弱気になっているシングルマザーは、ぜひ参考にしてください。
目次
シングルマザーが離婚を後悔する3つの理由
離婚が成立してしばらくすると、生活面での理想と現実の違いが浮かび上がってきます。子どもたちとの暮らしを自分の力だけで支えるのは、思った以上に大変なことです。金銭面や世帯主としてのプレッシャー、子どもへの負い目を感じるたびに、離婚を後悔する気持ちが心をよぎるでしょう。
シングルマザーがどのような場合に離婚を後悔するのか、3つにわけて解説していきます。
離婚で収入が激減。大きくなる金銭面の負担
大きくなる金銭面の負担で離婚を後悔することは多いです。母子世帯の、母親自身の平均年間収入は243万円で、全世帯の平均年収545万円の半分以下にあたります。児童扶養手当や養育費を加えても、人並みの暮らしを営むのは簡単ではありません。たとえお金の節約をしても、それだけでは暮らしが成り立たないのが現状です。
加えて養育費が途中で途絶える事態も考えられるため、生活には常にお金の不安がついてまわります。生活費の不足や、貯金できないなどの金銭面の不満が重なり、離婚前の生活の方が良かったと、離婚を悔やむシングルマザーも珍しくはありません。
■参考：厚生労働省 「平成28年度全国ひとり親世帯調査結果」調査資料より
■参考：厚生労働省 「平成 28 年 国民生活基礎調査の概況」10p/1年次別の所得の状況
家事・育児・仕事、すべての責任が自分にかかる
家事・育児・仕事などの負担から離婚を後悔するケースも多いです。シングルマザーは1人で父親と母親、両方の役目を果たさなければなりません。世帯主としてお金を稼ぎ、子どもの世話をして、家事をこなす。これらを全て自分だけで行っているために心が休まらず、ときには責任の重さに疲れはてる瞬間もあるでしょう。
身体の具合が悪くても子どもの面倒をみたり、無理をして会社に出勤したりするのは当たり前と覚悟をしていても、いざトラブルに見舞われると、負担の大きさに圧倒されてしまいます。
そんなとき、ひとり親でなければこんな苦労をせずにすんだのにと離婚を後悔するのです。
子どもの父親がいないことへの負い目と周囲からの偏見
子どもの父親がいないことや、周囲からの偏見で離婚を後悔することもあります。休日の公園やモールには、親子連れがあふれています。他所の子どもがパパと手をつないで歩く姿を見つめる我が子の横顔に、寂しい思いをさせているなと申し訳なさがつのるシングルマザーは多いです。
子どもの前では平気な顔を装っても、仲の良い親子連れを見かけると心は揺れてしまいがち。
そんなシングルマザーの複雑な気持ちも知らずに、「子どもには父親が必要」「どうして我慢できなかったの」など、よかれと思って周囲の人が言葉をかけてくる場合もあるから厄介です。
「好きで離婚をしたわけではない」と言いたくてもじっと我慢をした経験に身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。
ただでさえ引け目を感じているのに、そのうえ事情を知らない第三者からの心ない発言を浴びると、弱った心が折れそうになります。
離婚を後悔したら試したい解決策～暮らし編
シングルマザーは、本人が自覚している以上の強いプレッシャーを日々感じています。1人で何役もこなす過酷な状況の中では、正常な判断力が働かなくなることもあります。もし悲観的な気持ちに襲われたら、いったん思考をストップさせて自分自身の心と身体を労わりましょう。ここでは、具体的な解決策をご紹介していきます。
とにかく身体を休める
疲れきった身体では、明るい考えは浮かびません。まずは家事を最小限にして、体力温存につとめましょう。たとえ部屋が散らかっていても気にしない。たたんでない洗濯物や子どものオモチャが散乱していても、部屋の片付けは後回しでも問題ありません。食器洗いの手間の省ける、テイクアウトやお惣菜で食事をすませたら、夜には子どもと一緒に自分も寝てしまいましょう。
手を抜けるところは手を抜いて、自分の身体を労わることを最優先するのがポイントです。暗い考えにとらわれずに毎日を明るく過ごすためには、シングルマザーの元気の回復が不可欠なのです。
自分の気持ちを聞いてもらう
心が辛いときには、自分の今の心境や悩みを誰かに話すことも大切です。家族や友人に悩みを打ち明けるだけでも、モヤモヤした気持ちの整理がついて、気分が変わります。身近な人に話せない場合には、公的機関の無料電話相談や、初回無料カウンセリングなど利用して、専門家に悩みを相談するのも良い方法です。プロに自分の想いを聞いてもらえると、心が軽くなり、悩み解決の糸口も見いだせるでしょう。
全国にある母子福祉団体の連絡協議機関、一般財団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会（全母子協）では、各都道府県に設置されている母子福祉団体を案内しています。シングルマザーの現状を理解している人に相談するのは問題解決に有効です。
自分の時間を作る
自分の時間を作るのは大切なことです。しかし、自分が頑張らなければと、つい無理をしがちなのがシングルマザーです。孤軍奮闘するのではなく、たまには自分以外の大人の力を借りてみてはどうでしょうか。親に子どもを預ける、ファミリーサポートセンターに登録して託児を依頼するなど、やり方は色々あります。
子育ての責任を一時的に肩代わりしてもらい、日常から離れた自分だけの時間を持てると、心に余裕が生まれます。海をぼーっと眺めたりレディースデイを利用して映画を観たり、気ままな時間を過ごすなかで、強ばっていた心身が解きほぐれていくのを実感できるはず。
自分へのご褒美タイムを作る
とはいえ、長時間家を空けるのはちょっと……とためらうシングルマザーもいるかと思います。
外出が難しい場合には、自宅でもかまいません。1日のなかにリラックスタイムを作って、自分を労いましょう。たとえば子どもが起きてくる前の15分間、静かなキッチンでゆっくり紅茶を飲んでちょっとお高めのケーキを食べる、子どもたちが寝た後にビールを飲んでゲームをするなど、あえて自分へのご褒美タイムをもうけるのです。
旦那の目を気にせず、好きなように行動できるのはシングルマザーの特権です。日々の小さな幸せを重ねるうちに、いつのまにか離婚を悔やむ気持ちは消えていくでしょう。
離婚を後悔したら試したい解決策～キャリア編
人間とは、過去と未来を同時に考えられない生き物です。離婚の後悔にひたる行為を止めるためには、未来へ向けて1歩踏み出す行動が効果的です。将来への漠然とした不安をなくすために、今できることから始めてみませんか。
ここでは、シングルマザーが未来へ踏み出すためにできることを紹介していきます。
まずは情報収集から。着実に収入を増やすコツ
子どもが小さくてパートタイムの仕事にしかつけない、離婚のダメージから立ち直っていないなど、シングルマザーの置かれる状況はさまざまです。思うような収入を得られずに、焦るシングルマザーもいるかもしれません。
でも、いずれ子どもは成長します。離婚による心の傷が癒える日も、必ずやってくるのです。今は収入が乏しくても、状況が変われば高収入の仕事の求人へチャレンジできます。「下の子が中学生になる〇年後には正社員で働く」など目標を設定して、自分の進みたい分野の情報を集めたり、憧れの職業についている人に話を聞いたりしてみませんか。未来に希望がもてるようになると、離婚を後悔する気持ちは起きなくなるでしょう。
現実的なプランニングを
ここで注意したいのが、いきなり自分の理想の働き方・収入を目指さないということです。準備体操をせずにランニングをして足を痛める人がいるように、仕事を始めるときにも、準備不足ではトラブルに見舞われないともかぎりません。最初はパートから始めて、子どもの成長と共に契約社員、正社員と仕事をステップアップしていく方法もあると頭に入れて、着実に進みましょう。
収入アップを目指して！知っておきたい制度・おすすめ資格
母子家庭の自立支援のひとつに、看護師、介護福祉士、保育士などの、就職に有利になる資格習得について助成を受けられる制度があります。「やってみようかな」と少しでも興味が湧いたら、各市町村に問い合わせてみてください。手に職をつけると安定した収入が見込めます。ぜひ制度を活用してキャリアアップを目指しましょう。
事務職を希望しているのなら、不動産・建築・金融業界で歓迎される宅建（宅地建物取引士）のような資格を取ると転職にも有利です。子どもの病気などで欠勤しがちなシングルマザーが職場で快適に過ごすためには、他の事務職員との差別化を図らなければなりません。企業にとってなくてはならない人材として優遇される、宅建有資格者になればそれが叶います。
まとめ
ふと弱気になることがあっても大丈夫です。子どもの成長と共に、家族の状況は変わります。離婚を後悔する気持ちが湧いてくるのは、無理をしすぎのサインかもしれません。自分の心身のケアを行いながら、できる範囲からキャリアアップに向けての活動を始めましょう。母親が幸せな状態でいるからこそ、子どもたちも幸せに暮らせることを忘れないでください。一生懸命生きているあなたに、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
