美容のプロとして人を美しくする「エステティシャン」は、女性が憧れる職業の一つです。しかし、エステティシャンになりたいと思ってエステサロンの求人をチェックしても月給に大きな幅があり「エステティシャンの給料相場はどれくらいなの?」と疑問に感じている人もいるでしょう。

この記事では、エステティシャンの給料相場と収入をアップさせるための方法について紹介しています。これからエステティシャンとして働くことを考えている人は参考にしてください。

1.エステティシャンの給料相場

エステティシャンの給料相場は、正社員として勤務している場合と独立・開業した場合で大きく異なります。
下記は「新人の正社員」「30代の正社員」「独立・開業した人」の収入例を比較した表です。

新人の正社員

平均年収 200~280万円
平均月収 18~20万円

30代の正社員

平均年収 300~400万円
平均月収 22~24万円

独立・開業

平均年収 500~数千万円
平均月収 40~数百万円

正社員の場合、エステサロンによっては「歩合給」を導入しています。「歩合給」は、サロンで扱っている化粧品の販売目標を達成した際などに「インセンティブ」が加算され、給料がアップする制度です。

ただし、エステティシャンの給料は、年齢や勤続年数ではなく、本人の技術や経験、お客様からの人気によって変化します。エステサロンによってはボーナスの支給が無いケースもあり、新人時代は金銭的な面で苦労するエステティシャンは少なくありません。
正社員の初任給の相場にも地域差があり、地方に比べると東京23区や大阪などの都市部にあるエステサロンの初任給は2万円程度高くなる傾向があります。

また、独立・開業に成功すると、給料の大幅アップが期待できます。仕事の幅が広がり、人気サロンとなれば高収入も夢ではありません。しかし、サロン経営を軌道に乗せるまでが難しく、赤字で苦しむエステティシャンもいます。
独立・開業で成功するためにはエステ技術のみならず、集客や経営について学ぶ必要もあるでしょう。

2.エステティシャンの給料における2つのタイプ

エステサロンの給料システムには「固定給」と「歩合給」の2種類があり、働くスタイルや経験によって最適な給料システムは違います。それぞれメリット・デメリットがあるため、これからエステティシャンとして働きたい人はエステサロンの給料システムをきちんと理解しておきましょう。

ここからは、エステティシャンの給料システムについて解説します。

2-1.固定給のメリット・デメリット

固定給は、仕事量に関わらず毎月決まった金額の給料が支払われる給料システムです。基本的に正社員として働く場合は固定給となります。

固定給のメリット
  • ・安定した収入を得られることで、人生計画が立てやすくなります。社会的な信用にもつながるため、賃貸契約やローンの審査も通りやすくなるでしょう。
  • ・正社員として勤務できるため、社会保険や税金の計算を自分で行う必要が無いというメリットもあります。
固定給のデメリット
  • ・毎月の給与額が決まっているため、販売成績が良かった月でもインセンティブなどが給料に上乗せされることはありません。
  • ・正社員だと原則フルタイムでの勤務となり、備品管理や清掃、スケジュール管理など、施術以外の雑務もこなす必要があります。

指名数や販売成績に影響されず収入が安定するため、固定給はこれからエステティシャンとして働き始める人にはおすすめの給料システムだと言えるでしょう。

2-2.歩合給のメリット・デメリット

歩合給は、自分の売上や販売成績に応じて給料が支払われる給料システムです。売上の何%が給料となるのかを示す「歩合率」はサロンによって異なり、「販売金額の約3〜10%」と歩合率には幅があります。

歩合給のメリット
  • ・担当するお客様を増やしたり、販売成績を上げたりするなど、自分の努力次第で給料を大きく増やすことができます。
  • ・自分の頑張りが給料に反映されることでやりがいを感じられ、自分の施術や接客に自信を持って働くことができます。
歩合給のデメリット
  • ・お客様が付かなかったり、仕事が少ないシーズンは給料が減ります。固定客を掴めなければ収入は安定しません。

歩合給を採用しているエステサロンには、固定給と歩合給を組み合わせているサロンと、すべての給料が歩合で支払われる「完全歩合制」のサロンの2種類があります。

◯完全歩合制のエステサロンの場合
完全歩合制のエステサロンでは店舗に常駐する必要はありません。お客様が来店する前後だけ出勤するなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。業務にかかわる準備や清掃も自分のお客様の分だけで良く、顧客情報の引継ぎといった雑務も少ない傾向にあります。
ただし、完全歩合制のサロンではフリーランスのエステティシャンとしてサロンと業務委託契約を結ぶことが多いため、正社員として働けるとは限らない点に注意が必要です。

3.エステティシャンの給料がUPする3つの方法

エステティシャンとして働きたいという人の中には、「どうすればエステティシャンの給料は上がるの?」と考えている人もいるでしょう。少しの工夫や努力を加えるだけで、エステティシャンの給料アップを目指すことは可能です。

ここからは、エステティシャンの給料をアップさせるための3つの方法をご紹介します。

3-1.テクニックを磨き資格を取得する

エステサロンによっては特定の資格を取得しているエステティシャンに「資格手当」を支給しています。

美容業界に関する知識だけでなく、お客様によりリラックスしてもらうためのスキルや快適に過ごしてもらうためのマナー検定など、「資格」と一口に言っても様々な種類があります。
エステティシャンが生かせる資格には、以下が挙げられます。

  • ●一般社団法人日本エステティック協会「認定エステティシャン」
  • ●一般社団法人CIDESCO-NIPPON「CIDESCOディプロマ」
  • ●一般社団法人日本エステティック業協会「AEA認定エステティシャン」
  • ●公益財団法人実務技能検定協会「サービス接遇検定」
  • ●日本商工会議所「販売士検定」

資格を取得することでスキルアップが図れるだけでなく、資格手当による給料アップも見込めるでしょう。
なお、どの資格に対して何円の資格手当が支給されるのかはサロンごとに異なります。

3-2.所属店舗での昇進を目指す

大手のエステサロンでは店舗内でランク制度を設けている場合があり、ランクが上がると給料も上がります。エステの技術や知識を学ぶことでランクアップし、徐々に新人指導や店舗管理を行えるようになれば、最終的にはサロン経営まで任されることもあります。

ランク制度を採用しているサロンの多くは、技術研修や教育システムが充実しています。休日や終業後の時間を利用して積極的に研修を受け、サロン内での昇進を目指しましょう。

3-3.独立開業する

エステティシャンとして経験を積んでから独立し、エステサロンを開業することも給料アップにつながる方法のひとつです。エステサロンの経営者となると店舗の営業成績に応じて給料が変化し、サロン経営が軌道に乗れば年収が数千万円となる可能性もあります。エステティシャンとはひと味違う、経営者としてのやりがいも感じられるでしょう。

事業利用が可能なマンションの部屋を借りたり、自宅の一部を改装したりするなど、小さなスペースでもエステサロンを開業することは可能です。大規模な店舗を作る必要性があまり高くないことから、比較的に独立開業しやすいと言えるでしょう。

ただし、エステサロンをオープンするためには、経理やマーケティング、営業力など、様々な知識や技術が必要です。また、絶対に稼げる保証はなく、集客がうまくいかないと赤字になったり、最悪の場合は閉店に追い込まれてしまったりするケースもあります。
独立開業で給料アップを狙う場合は、技術や知識だけではなく、十分な資金を準備する必要もあるでしょう。

まとめ

エステティシャンの給料相場や給料アップの方法についてご紹介しました。まずはサロン勤務を通して仕事内容に関する知識や経験を培い、実力がついたら歩合給のサロンで働いたり独立開業したりすることが、エステティシャンとして高収入を得るための近道です。学ぶことは多いですが、培った経験は無駄になりません。努力して収入アップを目指しましょう。

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