「スナックでアルバイトをしてみたいけれど、夜のお店で安心して働けるか心配…」
「お金はどれぐらい稼げるの?」
「たくさんあるお店のなかから、何を基準に働く場所を選んだらいいのかわからない…」

スナックのお仕事に興味はあるものの、上記のような不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、スナックでのお仕事は、知らないことがたくさんあるために決めかねているという方のために、スナックとバーやキャバクラ・ラウンジ・クラブとの違いから、接客時の服装、待遇などの条件、働き方のポイントなど、スナックの基礎知識について解説します。

1.スナックとは

スナックはスナックバー(Snack bar)の略語で、いわゆるお酒だけでなく簡単な食事も提供する飲み屋さんのことを指します。カウンター席とソファー式のボックス席を用意しているお店もあり、さまざまな方が訪れるお店です。

スナックで働く方は、主にカウンターの中で接客を行うだけでなく、お客様の隣に座ってお酒を作ることもあります。カラオケを設置しているお店では、お客様がカラオケを楽しみながらお酒を飲んだり、ママやマスター、スタッフとの気軽なトークが楽しめるのもスナックの魅力だと言えるでしょう。

料金はリーズナブルでアットホームな雰囲気があり、お客様も気心の知れた常連が多く、30代、40代以上のスタッフが活躍しているお店も数多くあります

1-1.バーやキャバクラとの違いは?

次に、スナックとよく似た業態のバーやキャバクラ、さらにラウンジやクラブには、どんな特長があるのか見てみましょう。

●バー
バーではおもにバーテンダーがお酒を作って提供し、お客様がお酒を楽しむために必要な接客のみを行っていることから、「酒類提供飲食店」とみなされます。営業時間には特に規制が設けられておらず、24時間営業も可能です。

●キャバクラ
キャバクラは、キャストと呼ばれる18~20代前半の女性が隣に座り、接客してくれるお店です。ボディタッチやセクハラ的行為はNGなお店がほとんどです。
料金体系は、60分〇〇〇〇円といった時間制で、そこに同伴料金やハウスボトル以外のドリンク代が加算されます。ハウスボトルと呼ばれるお客様用のドリンクは料金に含まれており、キャストは飲むことができません。

●ラウンジ
仕事内容はキャバクラと同じですが、料金体系は時間制ではなくチャージ制です。ハウスボトルがないお店がほとんどで、お客様はボトルをキープします。キャバクラと違い、キープしているボトルをホステスと一緒に飲みながら接待します。
また、キャバクラはマンツーマンの接客であることに対して、ラウンジでは複数人のホステスが接客にあたります。ホステスの年齢層は20代後半からと、キャバクラよりも少し高めです。ホステスの上にはママがいるため、お店によって雰囲気が異なります。

●クラブ
クラブはキャバクラやラウンジよりも高級感があり、マナーやノルマには最も厳しいといえます。店内はゆったりと広く、落ち着いた雰囲気があり、お客様は既存客からの紹介制で一見客お断りというところがほとんどです。お客様にとっては敷居が高い反面、ステイタスも感じられるお店です。

1-2.料金体系はどうなっている?

スナックの料金体系はお店によって異なりますが、大きく2つにわかれます。いずれにしても、キャバクラやラウンジよりも割安で、気軽に楽しめるのも特長です。

●セット料金
ハウスボトル(飲み放題のお酒)・水・氷・おつまみなどがセットになった、3,000~5,000円程度の定額制料金です。1〜2時間の時間制限、または時間制限なしのお店もあります。

●ボトルをキープする
チャージ料を支払い、1本5,000円程度でボトルを購入すると、閉店まで時間制限なしで楽しめ、次回以降の来店時にもリーズナブルに利用できるシステムです。

初回来店時にはセット料金を利用し、次回来店時にボトルキープを行うというパターンのお客様も多いようです

1-3.スナックの営業時間

仕事帰りや食事後にお店を訪れるお客様が多いので、夕方以降にオープンすることが一般的です。お客様の隣に座って接待を行う場合、風営法(風俗営業の規制および業務の適正化等に関する法律)により、深夜の営業時間が規制されています。風営法のルールをきちんと守っているお店では午前0時が閉店時刻となります。

ただし、カウンター内のみで接客を行っている場合には、「深夜種類提供飲食店」として深夜を過ぎても営業を行うお店もあります。

2.スナックの平均給料と仕事内容

ラウンジやキャバクラにくらべて、ノルマやシステムなども比較的ゆるやかで、アットホームな雰囲気のスナックは、夜のお仕事が初めての人でも比較的チャレンジしやすい業態といえるでしょう。

スナックでは、体験入店制度を実施しているお店もあるので、試してみるのもおすすめです。実際に働く前に、一般的な待遇についても知っておきましょう。

2-1.給与のめやす

給与はほとんどの場合、時給制です。時給額は地域やお店の経営方針などによって差がありますが、1,500円〜2,500円程度が相場です。なかには高額時給を提示しているお店も存在しますので、仕事内容をしっかりと確認してみましょう。

ラウンジやキャバクラにくらべて時給は低めですが、その分ノルマなどもゆるやかで、夜の世界のお仕事が初めてという人も、気軽にチャレンジできる雰囲気があります。

2-2.働き方やシフトは?

一般的なアルバイトにくらべて時給が高いため、1日4〜5時間で週に3〜4日程度の勤務でも、効率よく高収入が得られます。
売り上げノルマや指名制度、同伴出勤、アフターなどの負担がほとんどなく、シフトは1週間ごとに決定するというお店も。勤務時間の希望や条件があれば、お店側にあらかじめ伝えておくと、考慮してもらえることもあるでしょう。

2-3.仕事内容

●お酒を作ったり、軽食を提供する
お客様のオーダーをお聞きして、お好みのお酒を作ったり、軽食の盛り付けなどを行います。お店に用意のないものは外部の店舗から出前を取ったり、買い出しに出ることも。また、開店準備や閉店後の清掃などを担当する場合もあるでしょう。

●お客様との会話で楽しい時間を演出する
お酒や軽食をお出しするだけでなく、お客様と一緒に会話したり、楽しんでいただくのも大切な仕事。個人経営の小規模なお店が多いので、キャバクラのようにお客様と一対一での接客というよりは、お店のお客様やスタッフみんなでわいわい一緒に楽しむといった雰囲気です

●カラオケを歌ったりお客様とのデュエットも多い
カラオケ機器を設置しているお店では、お客様の歌の準備やカラオケ中の盛り上げなども行います。お客様から歌をリクエストされたり、デュエットを頼まれることもよくあります

3.スナック勤務のためのアドバイス

たくさんあるスナックのなかからお店を選ぶ際には、どんなポイントを見ておけばいいのでしょうか?

きちんと法律を守り、働く側の立場になって考えられる経営者かどうかを見極めることも大切です。ここからは、スナックで実際に働く際に役立つポイントをいくつかご紹介します。

3-1.いいスナックの見極め方

時給や待遇には問題がなさそうなのに、求人募集が頻繁に出ているお店には注意が必要です。従業員が長続きしないことには何か理由があります。個人店では給料の未払いなどの問題も頻繁に発生しています。経営方針や労働条件など、しっかりと確認しましょう。

カウンター内での接客以外に、カラオケのデュエットをしたり、お客様の隣に座って接待をしている場合などは、深夜0時を過ぎて営業することはできません。風営法をきちんと順守しているかどうかも、今後働く上では見過ごせないポイントです。

3-2.求められるスキルは?

スナックのお仕事では、お客様と楽しく会話できるコミュニケーション能力が重要なカギを握ります。こちらから話しかけるだけでなく、聞く力を身に付けることも大切です。
お客様が何を求めていらっしゃるのかを考え、細やかな気遣いや目配りも忘れないようにしましょう。

また、お客様と一緒にお酒を飲む機会も多い仕事です。お酒をすすめられた時は、無理のない範囲でおつきあいして、楽しい時間を共有できるのがのぞましいですが、アルコールが苦手な場合は感謝の気持ちをお伝えし、ソフトドリンクなどで対応しましょう。

中には、お酒に見せかけたノンアルコールカクテルを置いてあるお店もあるので、お酒が苦手な方は一度お店に確認してみると良いでしょう。

3-3.どんな服装がベスト?

カジュアルでアットホームなスナックの求人情報には「服装自由」と掲載されていることも多いのですが、実際にはどこまでが許容範囲でしょうか?「服装自由」であっても、デニムやスニーカーは不可となっている場合も多く見受けられます。

過度な肌の露出は避け、あまり派手すぎないワンピースやスーツなどを着用しておくと安心です。客層やお店の雰囲気はママの営業方針によっても大きく異なります。入店前にしっかりと確認しておくことが大切です。

また、服装だけでなくメイクや言葉遣い、さらに立ち居振る舞いなど、ママのポリシーを理解し、お店の雰囲気になじむような装いを心がけるようにしましょう。

4.スナックで働くメリット・デメリット

スナックは、他の水商売にくらべてカジュアルなイメージもあり、初めてでも敷居は高くありませんが、夜の仕事にはリスクがないわけではありません。一方で、意外と知られていないメリットもあります。そのメリットとデメリットをしっかり確認しておきましょう。

また、働き始めてから「イメージと違い辛い思いをした」や、「被害に巻き込まれた」ということが無いように、メリットだけでなくデメリットとその対処法をご紹介します。

4-1.自分に合った働き方で稼げる

キャバクラやクラブのように、ノルマやマナーにはさほど厳しくなく、衣装代やセット代などの出費も少なめ。自分のペースで働けるうえに、一般的なアルバイトにくらべて時給は高いので、長時間働かなくてもある程度の収入が見込めます。

また、働き方次第では高収入を得ることも可能です。コミュニケーションスキルが高く、お酒を楽しく飲める人にとっては、働きやすい職場といえるでしょう。

人とのコミュニケーションがあまり得意ではないと感じている人も、たくさんのお客様と接ることで、いろいろな気付きや学びがあります。対人関係のスキルを磨き、新しい自分を発見するという意識しながら、プロの接客術を身に付けてみてください。

4-2.同伴出勤やアフターは自分次第

スナックのお仕事では、同伴出勤やアフターのおつきあいに関して、料金は発生しないものですが、仕事であることを忘れないようにしてください。また、無理なお願いを上手くかわす話術をママや同僚に教えてもらいましょう。
また、これらは強制されるものではなく、ご自身で積極的に行うつもりがなければ、やんわりとお断りしてみるのも問題ありません。

4-3.ストーカー被害にはくれぐれも注意を!

スナックなど夜のお仕事では、ストーカーなどの被害対策をしっかりと行う必要があります。

お客様の中には、悪気がなくとも仲良くなろうとして住所を聞いてくることもあります。どれだけ仲の良いお客様であっても、住所は絶対に教えないでおくことが賢明です。

さらに、お店のスタッフがお客様にうっかり口を滑らせて、住所や居住地域を暴露されるということもあります。スナック内の付き合いでは、なるべく個人情報などの話は避けるようにしましょう。

5.スナックのおすすめポイント

ここまでスナックと他の水商売との違いからスナックでの働き方、スナックのメリット・デメリットを解説してきました。それらを総合して、キャバクラで働くことのおすすめポイントをピックアップしてご紹介します。

  • ・アットホームでカジュアルな雰囲気があり、初めての方でも気軽にチャレンジできる。
  • ・働く年齢層は幅広く、学生からおとな世代まで収入を得ることができる。
  • ・他の水商売にくらべて時給はさほど高くはないが、ノルマが少なく自分のペースで働ける。
  • ・ドレスなどの衣装代やセット代などに過度な出費を必要とせず、自己負担額が少ない。

スナックで働いてみたいと思っている方は、ぜひ上記をお仕事選びの参考にしてください。

まとめ

スナックは全国に店舗が多数あり、何を基準に選べばよいのか分からないといった不安や、お店の見きわめ方に関する疑問を抱えているという方に向けて、お仕事探しに必要な基礎知識をご紹介しました。今回の記事で解決の糸口を見つけていただけましたでしょうか。

なんとなくの雰囲気でお店を選ぶのではなく、今回ご紹介した記事を参考にしていただき、お店選びにお役立てください。客層や労働条件などはお店によって異なりますので、事前にしっかり調査して、ぜひ自身に最適なスナックを見つけてください。

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