40代でシングルマザーになった場合、少しでも貯金を増やして将来に備えたいと思っている方は多いでしょう。しかし元々正社員として仕事をしていた人はまだしも、パートやアルバイトで働いているとお給料も上がらず、貯金どころか毎月の生活費にも苦労しますよね。
そこで今回は、いくらを目標に貯金をしたらいいのか、無理なく節約しながら貯金をするにはどうすればいいか、その方法についてご提案します。
目次
40代のシングルマザーの貯金はいくらくらい?
シングルマザーの家庭ではどのくらい貯金できているのか、そしてどのくらい貯金が必要になるのかをみていきましょう。
シングルマザーの貯金額
母子家庭の平均的な収入額は以下の通りです。
- 母親自身の収入(手当、養育費などを含んだもの) 243万円
- 母親自身の就労収入 200万円
- 母子世帯の年間収入(同居の親族の収入を含めたもの) 348万円
この収入に対して、預貯金の額は50万円未満がおよそ4割と最も多くなっています。年収が200〜300万円くらいの母子家庭で貯金をすることがいかに難しいかということがわかります。
参考:「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告書」(厚生労働省)
では一般的な家庭はどのくらいの貯蓄があるか、比較してみましょう。
世帯主の年齢によってかなりばらつきはあるものの、30代夫婦であれば1世帯あたりの平均貯蓄額は515.9万円にもなります。母子家庭で500万円を超える貯蓄額があるのは全体の1割程度ですから、他のファミリー層と比べるとかなりの開きがあることがわかりますね。
毎月どのくらい貯金すべき?
ではこれからどのように貯金をしていけばいいのか、その額を知るためには子どもの教育費がどのくらいかかるのかを知っておく必要があるでしょう。
文部科学省の「平成28年度子どもの学習費調査」をみてみます。この調査でいっている「学習費」とは、学校教育費(授業料や教科書代)、学校給食費、学校外活動費(学習塾、習い事など)の3つであり、平成28年4月1日〜平成29年3月31日までの1年間にかかった金額です。
- 公立高校:450,862円
- 私立高校:1,040,168円
公立と私立では、およそ2.3倍も違います。高校1年間だけでもこれだけの差になるわけですね。しかし私立高校は授業料の無償化政策などもあり、収入が低い世帯には援助があるので、母子家庭であっても公立しかいけないということはないでしょう。こうなってくると、高校に入るまで少しでも貯金をしておきたいところです。
小中学校は公立に行ったとすると、だいたい下記くらいかかる計算になります。
322,310円×6年間=1,933,860円
478,554円×3年間=1,435,662円
合計 3,369,522円
ただしこの金額は、習い事なども入れた金額なので、小学校のうちは無理して塾などに通わせず、家庭学習で乗り切るという方法もあります。小中学校でかかるお金はもう少し抑え、抑えた分を貯蓄して大学進学費用に回すこともできるでしょう。
40代のシングルマザーが貯金できない理由
40代のシングルマザーの家計が厳しい、なかなか貯金できない理由には以下のようなことが考えられます。一つずつみていきましょう。
給料が上がらない
子育てを優先させようとすると、正社員よりもパートやアルバイトを選択するというシングルマザーの方も多いと考えられます。パートの多くは時給制ですし、なかなか昇給しませんよね。何年働いても給料が上がらない、しかし子どもの教育費はかさんでいく。その状態ではなかなか貯金に回す分が出てこないでしょう。
保育園代がかかっている
ご家庭の状況はさまざまです。4月の入園時期が過ぎていると早くても翌年まで入園しづらいので、とりあえず入園できるところとして無認可の保育園しかなかった、というケースもあるでしょう。保育園によって異なりますが、補助の出ないところですと保育料が高額になってしまいます。
公的補助を全て受け取っていない
母子家庭の支援対策は自治体によって違っています。児童手当などはもらっていると思いますが、他に請求し忘れているものはありませんか?わずかであってももらえるものはもらいましょう。その分貯金が増えます。
40代のシングルマザーが貯金額を増やす9つの方法
収入が増えない理由がわかれば、そこを改善していく方法がありますよね。また、プラスアルファとして少しでも貯金を増やす方法をご紹介しますので、工夫して組み合わせながら家計に余裕を生んでいきましょう!
貯金する目標額を決める
漠然と貯金をしようと思ってもなかなかできないものです。例えば、「子どもが高校に入学するまでに500万円」など目標とする額を決めましょう。常に目標額を頭に入れておくことで、無駄遣いを防ぎます。
家計簿をつけて収支をよく見る
家計簿をつけていない方は、家計簿をつけて収支を把握することから始めましょう!おおよそでも構わないので、食費、光熱費、生活用品代、化粧品代、衣類などにいくら使っているのか、記録をつけてみてください。
家計簿をつける目的は、どこに無駄があるのかを見極め、その無駄からいくら貯金に回せるのかを常に考え、貯蓄体質を作ることです。例えば、食費がかかりすぎかな?と思ったら、ぜひレシートを見返してみてください。結構無駄な買い物をしていませんか?お菓子やジュースはまとまると、想像以上に金額がかさんでいる場合もあります。
しかし、我慢しすぎるのもストレスの原因となります。手作りをして安く済ますなどの工夫をして、無駄な支出を減らしていきましょう。
公的補助をできるだけ利用する
次の手当で、もらっていないものはありませんか?確認することが大切です。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- 母子家庭の住宅手当
- 母子家庭の医療費助成金
- 水道代の免除
自治体によってサービスが違う場合があります。まずは役所の相談窓口に行って、まだ他に請求できるものがあるかどうか聞いてみましょう。
積立貯金で強制的に貯金する
貯金が苦手な人は、どんなに少額でもいいので強制的に積立てするタイプの貯金にしてみましょう。1000円でも貯金できたら次は2000円と徐々に増やすことも可能です。たった1000円でも手元にあったら使ってしまうかもしれません。でも1年経ったら12000円の財産です。会社員の人は、会社の財形貯蓄を利用するのもおすすめです。
学資保険で教育費を積立する
学資保険とは貯蓄型の保険で、子どもの成長に合わせて給付を受けられるほか、親に万が一のことがあった場合は保険料の支払いは免除され、なおかつ保障は継続されます。昔ほど利率がいいなどのお得な商品は減っているので、すごく得をする金融商品ではないのですが、自分に何かあったときにも保証が続くという、生命保険的な要素があるのがメリットです。
保育園は認可保育園に
もし今無認可の保育園に入っているなら、認可保育園に入園できるよう申請を出しましょう。空きがなくては入れませんが、申請しておかなくては選考もしてもらえません。認可保育園に入れれば保育料が少しでも節約できるでしょう。2019年10月からは保育園の無償化が始まります。認可保育園に入れるよう、今から対策をしておきましょう。
スマホの契約を見直そう
毎月のスマホ代も支出に大きく関わります。ここは思い切って格安SIMに乗り換えるのも一つの手です。ただ、契約した時期によっては違約金が発生したり、機種代の分割分が残っていたりするので、買い替えの時期については損をしないようによく検討してくださいね。
外食はなるべく避けよう
外食をしたり、お惣菜を買ってきたりするとどうしても食費が割高になってしまいます。できるだけ自炊するようにしましょう。仕事で疲れて帰ってくるとつい買いたくなってしまうことも。対策として、週末など時間があるときに下ごしらえをしたり、常備菜を作ったりして冷凍しておきましょう。電子レンジでチンしたり、炒めたり焼いたりするだけでOKという状態にしておけば、仕事後でも比較的簡単に食事の準備ができるようになります。
実家が近いなら実家に引っ越そう
もし職場に通える範囲に実家があるなら、家族と相談して住まわせてもらうことも検討してみてください。家に食費などを入れるとしても、家賃分が浮くことを考えるとかなり貯金ができるようになるでしょう。
今こそ自分に投資しよう
貯金が少ないのに投資は難しいと思うかもしれませんが、貯金をするには収入を増やしていくことも考えてください。そのためには、仕事のスキルアップのために勉強をしたり、資格を取得したりすることで、将来的な収入アップにつなげることができるでしょう。今だけを見ると支出になってしまいますが、蓄積したものは必ず自分の資産となります。
まとめ:40代のシングルマザーでも目標を決めてコツコツ貯金!
シングルマザーは仕事をしながら家事と育児をし、子どもの勉強も見てあげないといけない、やることがたくさんあって本当に大変です。でも諦めないでください!出て行くお金を見直して、少しずつ貯金をすることで、生活と心にゆとりができてくるかと思います。
最初は少額でもいいので、まずは目標額を決め、貯金を意識してみてはいかがでしょうか。